久志　八ケ岳に越して、かれこれ14年ちょいです。

直子　勢いやったねえ。

久志　はじめは、ボロい古民家をちょっとだけ直して、何とかかんとか10年近く住みました。

直子　2月、修理中の部屋の中にテントを張って、親子４人でくるまって眠ったのが懐かしい。若かった。今は無理。

久志　今年の春、長男が高校を卒業し、家を出た。高２の長女も2年後には出て行きます。

直子　寂しくなるけど、家族としては通過点です。うちらの人生もまだまだこれからだね。

久志　下の小学生の２人もとりあえず人間らしく、成長している実感があります。俺たちの子育ても、紆余曲折はあるけど概ね順調なんでしょう、多分。

直子　そだねー。まわりのオッちゃん、オバちゃんがよくしてくれていると思います。感謝やね。

久志　田舎とか都会とか関係なく親以外の大人が、子供たちに絡んでくれると、子育てに幅が出て、楽なんじゃなかろうかと。

直子　そだねー。あと、やっぱり親も人生を謳歌していることが大事かな。なかなか難しいんだけど。

久志　田舎で育った子供たちが、都会や世界を目指し村を出て行く。世界中のどこにでもある光景が、この家でも見られます。

直子　べつにいいんじゃない。好きにやれば。うちらも好きにやれるんだから。

久志　俺はただ、誰か会社つないで欲しいんやけど。まあ、家族経営にこだわることないか、はい。

直子　そう、子供の未来を親が決めるのは、親のわがままでしかない。

久志　ごもっともであります。グーの音は出ます。グー。

直子　あと10年で一番下も高校3年、子育ても終盤戦です。これからの戦いについて
何か一言ありますか。

久志　とにかく体力向上やと思うわ。体さえ締まっていれば、心はついてくるでしょ
う。

直子　そう、太らない。これ大事、いろんな意味で。あと、物を増やさない。これも大事。
身の回りをさっぱりさせて、脳を単純にしとくこと。

久志　御意。肝に銘じ、精進で候。

直子　はい。まあ、ぼちぼちいきましょう。