
5月の代表的なイベントといえは、ゴールデンウィークではないでしょうか。良いタイミングに設けられた休日だと思います。5月病という言葉がありますが、進学や就職、転居等があった人は、4月は環境の変化に対応する大変な月だったと思います。私も以前の務めで部署移動があり、全く畑違いの環境に右も左も分らず、心身ともに疲労、憂鬱な気分になったものです。そんな状況で訪れる5月上旬のまとまった休日、これを目標に4月を過ごしたものです。
一方で北杜市に住んでからのゴールデンウィークの印象は少し後ろ向きです。北杜市で生活するものにとって、ゴールデンウィークの北杜市は普段とは違う、よそ行きの顔になるように思えるのです。この顔はお盆にも見られるものです。
よそ行の顔とはどういうことかというと、静かな田舎町が都会のような雰囲気になるのです。車道を行き交う車は普段の何倍にも膨れ上がり、須玉インター、長坂インターの出入り口は渋滞となる。インターへとつながる主要な交差点も、車がつまり、右折レーンは曲がれなくなる。スーパーへと続く道も同様です。スーパーや飲食店、コンビニに人が溢れ、都会の喧騒が再現されたかのようです。

人が少なく、車は渋滞とは無縁、普段の長閑な雰囲気に慣れた自分には、なんだかこの期間は、別の町になったようにさえ感じてしまいます。 そんな雰囲気に戸惑う私は、ひたすら人を避けて過ごすのがこの期間なのです。 道は裏道を積極的に使うし、 スーパーでは事前に食料を買いだめします。家に引きこもるので、普段よりお菓子も大量に仕入れます。そして家から出ないのであれば、普段は買わないちょっとリッチな食材も買ってみようかと財布の紐がゆるくなります。
そんな風に準備をしても、何かが足りなくなり、結局は混みあったスーパーへ行くことになるのですが・・。 ただ、あんなに嫌がっていた人混みも、いざ行ってみると、活気のある売り場に心が浮き立つ自分がいるのです。 「ハレの日」という言葉がありますが、いつもと違う、お祭り気分のスーパーも良いものだと思ってしまうのです。
いつもとは違い、ちょっと都会的な顔の北杜市。それも、ゴールデンウィークが終われば、嘘のようにこの宴も終わりを告げます。北杜市への移住を考えている人は、この期間への来訪はお勧めしません。でも、もしいらっしゃるのであれば、車や人込みには目を向けず、車道の脇に広がる田園や足元の草花、新緑の緑に目を向けていただければと思います。それは普段の営みの北杜市の風景だからです。良いゴールデンウィークをお過ごしください。
(八ヶ岳事務所 大久保武文)