八ヶ岳南麓で生活する中で、3月は寒さの中にも日々、春の訪れが近づいていることを実感する季節でしょうか。「今年の冬は寒いね~」という言葉が挨拶となった今シーズンの冬でしたが、それも後半戦へと足を踏み入れました。
例年ですと、寒さは2月の中旬を底に、最低気温が緩み、3月の初旬あたりは最高気温が10度を超えはじめ、春分の日を迎える3月後半には最高気温が15度、日によっては20度とぐんぐんと上昇してきます。日が長くなるのも嬉しいですね。街明かりの少ない北杜市では、都心に比べ夜の訪れがダイレクトに感じます。1月には17時くらいには暗くなっていたことを思うと、随分と明るい時間が増え、季節が着実に進んでいることを感じます。
▲3月中旬。道端にはムスカリ等の花々で賑やかに。(北杜市須玉町)
植物も気温の上昇につれ、春の訪れを感じさせてくれます。北杜市でも3月上旬に梅の花が見られるようになり、3月中旬には道端にムスカリ、菜の花などが賑やかに咲き出します。花見といえば桜の花が一般的ですが、歴史をさかのぼると、奈良時代は花見と言えば梅の花だったそうです。「万葉集」で詠まれた歌の数も、桜より梅が倍以上詠まれているとのこと。
▲3月上旬。北杜市でも梅の花が開花。(北杜市高根町)
そういえば、都内に住んでいた時に使っていた小田急線沿線の「梅が丘」駅に、梅の花見に行ったことを思い出しました。季節は2月、北杜市より1カ月ほど早い開花ですね。まさに駅名のとおりの立地で、駅から歩いて直ぐの所に梅林の丘があり、まだ寒空の下、多くの方が花見に訪れていました。花を見ることもですが、梅の香を楽しまれている人が多いのが印象的でした。
調べてみると山梨県にも梅の名所がいくつかあるようです。その中の一つが甲府市の不老園。インターネットで名所を調べていたところ、偶然にも北杜市のスーパーにもパンフレットが置いてありました。
▲スーパーで見つけた梅園「不老園」のパンフレット。
総面積約5万平方メートルにおよび広大な山を切り崩し、谷を生かし、池をつくり、その周辺に30数種類、約2,000本の観賞用の花梅木や赤松、桜、南天、つつじ、もみじ、牡丹等が植栽されている梅園とのことです。なんだかとても広そうですね。開園の期間も梅の花が楽しめる2月と3月の季節限定。甲府盆地を一望できる高台に位置し、南に富士山、西に南アルプスの山並みを望めるとのこと。なかなか魅力的な場所のようで、今年は是非足を運びたいと思います。皆さんのご近所に梅園はありませんか?今年は桜の前に梅から花見を開始するのも良いですね。素敵な春となりますように。
(八ヶ岳事務所 大久保武文)