季節が一段階深まるといわれる11月。里山の紅葉がいよいよ進み、初霜の便りが届きはじめるころは、冬支度の準備に忙しくなる時期だとも言われています。霜は放射冷却(雲のない晴れた夜に赤外線が放射され続けて地表の熱が奪われる現象)により氷点下になった地面に水滴が触れてできる氷の結晶です。山間の土地や盆地などではこの放射冷却が進みやすく、甲府の初霜は平年で11月3日です。この日はまた例年北杜市明野町で「浅尾だいこん祭り」が行われており、家族連れで毎年賑わっています。もともとは保存食として貴重な食料であっただいこんをこの時期農家総出で収穫をしてきた名残だとか。木枯らしの吹く中の農作業ですが、日照時間で日本屈指の明野町のお漬け物はやはり名産品ではないでしょうか。
また師走を前につるべ落としの秋の夕暮れは、やはりどこか心寂しく感じられるものです。甲斐駒ヶ岳の先に沈む夕日は11月がなぜか一年で一番早いようにも感じられます。学生の頃、最終時限のゼミが終わって校舎を後にする時に感じた夜の早さと虚しさは安い飲み屋に足を向かせていましたが、北杜市のいまの暮らしでは暖かい薪ストーブの出迎えが待っており、ちょっと隔世の感もあります。
さて、この時期の物件見学では日当たりをよく見てください。夏の間葉を繁らせていた敷地は11月にはどうなっていますか?貴重な見学時期となります。
八ヶ岳事務所 中村 健二