北杜市の5月といえば「北杜24景」のひとつ「長澤の鯉のぼりと花の森公園」が頭に浮かびます。国道141号線沿いの棚田集落が長澤地区ですが、かつては佐久甲州街道としての要衝地でした。地元の方の民家を訪問したおりも、陣笠や刺股や槍などが保管されていて、往時の面影を残していました。
さて薫風の中、長澤の風の谷には500匹を超える鯉のぼりが勇壮に泳ぎ、そのさまはまさに皐月の象徴として地域を代表する景色といえそうです。人と自然が作り出す景観。その近くにオープンした民家を利用したフランス料理店は、移住者が数年前に開いたもの。周辺の棚田の風景にもよくマッチしています。
写真:北杜24景 長澤地区の鯉のぼり(北杜市高根町)。
5月といえば爽やかなイメージがありますが、アメダスの大泉の観測所(標高867m)において観測される気象データを見ても、春から夏に向かう橋渡しとしての月という特徴があります。昨年も120mmほどの降水量があり、平均気温は15.5度でした。上着一枚で日中過ごせる陽気である一方、月半ばには最低気温が2.7度、最高気温が28.2度を記録しています。気温の寒暖差が大きいため、突然の雷雨などにも注意が必要です。冬の間不凍線の通電によって高かった電気代も落ち着いてくる時期です。これからは都会と違ってエアコン不要の快適な夏に向かって過ごせる季節となります。
5月の八ケ岳だより
八ヶ岳事務所 中村健二