師走となりました。師走という響きだけで、なんだか慌ただしく、せわしない気持ちにさせられてしまいます。毎年、気が付けば12月、そしてじっくり味わうというよりは、走り抜けるように過ごす感覚になるのは、年末というゴールが目前に迫り、それまでに決着をつけねばという気持ちになるからでしょうか。
八ヶ岳南麓の北杜市の気候でいうと、11月下旬から12月初旬に毎朝の最低気温が0度を下回り、別荘や長期間に留守をする場合は、水道管の凍結防止のために、水抜きをしないといけない時期となります。
地元ラジオにおいても凍結防止のために、蛇口をゆるめ水を少し出しておくようにという自治体の広報が流れたりします。都内で住んでいた時には聞かなかった話題です。
冬場の習慣として、北杜市に移住してから知ったのは、お風呂に水をはっておくというものです。
暮らし始めてから2年程は、全くそういった事は知らずに、過ごしていたのですが、気温が―5度を下回るような寒い朝に、お湯が出なくなるということが数回ありました。そんな日は、朝風呂派の私は家での風呂を断念し、仕事帰りに公営温泉に立ち寄って帰るという生活をしました。まあ寒い地域なので、それも仕方ないのだろう、たまに行く温泉はめちゃくちゃ気持ちが良いし、仕事帰りに気軽に温泉に寄れる北杜市は最高だ、なんてポジティブに思っていました。
ところがどっこい、お風呂に水をはっておけば、そんなことにはならないと、後から知ったのです。
お風呂のお湯を沸かすのは、外にある給湯器。寒い朝にはこの給湯器に残っている水が凍ってしまい、詰まり、お湯が出なくなるのだそうです。一方で、追い炊き機能があるお風呂については、水をはっておけば、気温が下がると、給湯器のポンプが自動で動き、給湯器内の水を循環し、凍結を防止する機能がついています。
なお、加熱はせずに水をポンプで循環させるだけなので、光熱費はほぼ変わりません。給湯器の凍結は、故障へもつながり、それは大きな出費となります。冬になるとお風呂には水をはっておく、北杜市に移住してからの新しい習慣となりました。
(八ヶ岳事務所 大久保武文)