病気や怪我等で歩けなくなってしまった犬・猫用の歩行補助具(車椅子)を作る仕事を始めて14年目になりますが、2015年10月までは、埼玉県所沢市で車椅子の製作をしていました。
所沢は首都圏に近く、またTVや雑誌などで紹介されたりもしたため、来客や注文がとても多くて、休み無く仕事を続けるという状況でした。
60歳を超え、もう少し生活にゆとりを持ちたいと考えるようになりましたが、それでも、注文を断るという事は難しいものです。
このような状況を打開するには、環境を変えれば良いと考え、首都圏から比較的近く、自然豊かな八ヶ岳近辺で物件を探し始め、わずか3ヶ月ほどで北杜市白州町に引っ越しました。
物件に求める条件は、作業場(工房)のスペースが作れる、来客のため、場所がわかりやすく駐車スペースが取れるなど、仕事中心でしたが、ぼぼ満足できる物件に出会うことができました。
首都圏から遠くなったため来客数は減少しまたが、恵まれたことに、ネットでの注文比率が6~7割程度ありますので、白州に引っ越しても仕事ができますし、材料等の仕入れもネット販売を利用しているので不都合はありません。また、所沢では工房・倉庫のスペースや駐車場を借りていましたが、そのためのコストも無くなりました。
想定したとおり、注文数も適度に減り、自由になる時間も作れるようになりました。何より自然豊かな環境で、気持ちよく仕事をする事ができますし、土地や建物が広いので、何をするにもストレスがありません。
白州に来てから、毎日1時間程度のウォーキングを始め、時々は自転車で近隣の山道を走ったり、八ヶ岳南麓近辺を屋根を開けたスポーツカーでドライブしてリフレッシュしたり、より健康的でストレスの無い生活になりました。
また、所沢では家の事は何もしませんでしたが、今は薪ストーブ用の薪作りや煙突掃除、草刈りや芝刈り、家のメンテナンスなどをするようになりました。
人との交流も移住者を中心に知り合いが増えて、挨拶程度の付き合いしか無かった所沢と比べ、食事会をしたりお茶を飲んだりと、より深い付き合いをしています。
忠 裕之
埼玉・所沢市→山梨・北杜市
1954年東京生まれ。会社勤めの時に犬の車椅子製作を始め、7年ほどダブルワークをして58歳で早期退職、車椅子製作が本業となる。仕事と田舎暮らしを満喫中。