山梨県に住み始めて20年弱。旬の果物を食べられるのはここに住んでいるからこそ。さくらんぼ、ブルーベリー、桃、ぶどうetc.中でも私のお気に入りはさくらんぼです。
約30年前、まだ実家の横浜に住んでいる時にたまたまドライブで訪れた山梨、ふらっと寄ったさくらんぼ園で初めてのさくらんぼ狩り。この時ここ山梨県でさくらんぼ狩りが出来る事を知ったのです。偶然訪れた農園さんでしたが樹で熟した真っ赤なさくらんぼを頬張って味わった事の無い甘さと瑞々しさに感動、何と美味しい事か!都会のスーパーで買った物では決して味わう事は出来ません。またそのさくらんぼのなり方にも驚きました。“たわわ”ってこういう事を言うのだな、なんて思ったりして。
そして翌年には両親を連れて再び同じ農園さんへさくらんぼ狩りに。すると私以上に感動した両親は「是非知り合いにも食べて欲しい!」とお中元にあちらこちらへ送る事に。マメで写真好きの父が農園のご家族の皆さんの写真を撮ってお礼の手紙と共に送っていてくれたお陰で農園の方も顔を覚えて下さり農園の皆さんと繋がりが出来ました。それから毎年年に一度のさくらんぼ狩りが家族の恒例行事となりました。
結婚して、縁あって山梨に住んで20数年になりますがここ最近は「そろそろ食べ頃になるよ」と農園のご主人が教えてくれるようになりました。それを聞くと居ても立っても居られず毎年いそいそと出掛けています。さくらんぼは同じ品種でも日当たりや樹によって酸味や甘さが全然違います。まだうちの子供達が小さい頃には手の届く低い所にあるさくらんぼから脚立に登らないと採れない高い所にあるさくらんぼまであちこちで食べてみてお気に入りの樹を見つけては口いっぱいに頬張って楽しんでいました。あの満面の笑みは今でも心に焼き付いています。
そして子供が大きくなってくると次第に子供達はさくらんぼ狩りに付き合ってくれなくなりました。それでもまだどうしても樹で熟したさくらんぼの味が忘れられず、また農園のおじさんやおばさんの顔を見たくて年に一度はさくらんぼ園を訪ねています。これも全て縁あって山梨県に住むようになったお陰です。
さくらんぼに限らずぶどうや桃、ブルーベリーなどなど辺りを見回せばそこら中に美味し~い果物を作って楽しませてくれる農園さんや農家さんがいる、そんな幸せを噛みしめながら生活を楽しんでいます。
きくち たかこ
神奈川・横浜市 → 山梨・北杜市
1967年 神奈川県生まれ。幼稚園の先生をしていたが結婚を機に退職。その後は旦那と運命共同体に。ペンションのおかみをやりながら大好きな果物やワインに囲まれて幸せな日々を送っています。