自分の「老い」と向き合ってどう生きて、どう折り合いをつけていくのかを考えると夜も眠れないことはないのですが・・・。
この、一年ほど、介護施設への訪問や、お弁当配達などで、お年寄りの皆さんのお話を聴く機会が増えました。
「身を粉にして働いたから、ここに来られたし財産を守り子供が育った」。
「病気によくなったけど、大勢の人に知り合えた」。
「周りの人に尽くしたおかげで、ここに入れた」。
「病気などで弱い時代があったけど、年をよって強くなった。出世してここにこれたことは有難い」。
「今思う。今がよければ全てよし」。
生い立ちや人生を振り返り、懸命にしかし淡々と話されます。「よく生きた」とじぶんの人生の話を聴いてほしいのですね。そして、私へ一言「また来てね。待ってるよ」と。
写真:お借りした畑でとれたサツマイモ。3.4キロ。NHKのイブニング信州でも紹介されました。
もう一つ。地域のお年寄りが、月一回公民館に集まって、体操やゲームそしておしゃべりを楽しむ会のお手伝いをしています。たまたま私が野菜を作っていることをお話したところ、「うちの畑をやってくれると助かるんだが・・・。今迄やってきたが、もうできなくなった。雑草とりだけでもいいからやってくれないか」。
私も、もう少し畑を広げたいと思っていたところでしたので、お手伝いすることになりました。この夏にトウモロコシとじゃがいも、秋にサツマイモを収穫し、お届けしました。「おいしくできたね」と大変喜ばれました。そして、「来年もやってね」と。
「また来てね」「来年もやってね」という一言一言が、私にはうれしいのです。
八ケ岳ふるさと倶楽部交換日記
齊藤政雄(さいとう まさお)
千葉・佐倉市→長野・富士見町
1949年東京都生まれ。昨年7月より定住。
野菜を作り直売所での販売や地域でのボランティア活動など。