小荒間に通い始めて、早10年。朝が来るのが待ち遠しかった当初とは、こちらにいる時の気持ちにも変化があり、少々客観的に状況を見ることができるようになった部分もあります。
たくさん温泉があるにもかかわらず、公共の温泉を含め、入浴料が高い!隣りの長野県とは雲泥の差です。時折行く長野県、富士見のコープには行政が出していると思われるご老人を乗せた買い物バスが、止まっているのをよく見かけます。老人にとって「足」は死活問題です。山梨県にそういうものはあるのでしょうか?
ゴミの処理に始まり行政からのアプロ―チがあった記憶はありません。住民税県民税等の税金は払っているのに、郵便受けに広報紙(?)が入っていた記憶もありません。そんなこんなで10年経って「長野県の方が住みやすかったかも・・・」と思うこともしばしばです。このような疑問、不満はこちらから行政に問いかけ、働きかけをしていくことも必要なのかもしれません。
写真:以前織り上げた作品
とは言え、空気がきれいで素晴らしい自然環境の中に居られることは、何物にも代えがたい幸せであることは、10年たった今も変わらないことです。
私が2年前、夫もこの3月で退職し、小荒間に居られる時間が、自由になり長くなりました。1週間ごとに切れ切れだった季節の移り変わりをじっくりと連続で感じることができるようになりました。
10年程になる趣味の染織にも思う存分取り組めるようになりました。ゆったりと流れる時間の中でデザインを考え、植物染料で糸を染め、機を織る。あと何枚自分の満足できる着物を織り上げることができるだろうか。ちょっとした織姫気分です。
そして、ふるさと倶楽部の行事に参加できる機会も増えました。主として眺めるだけだった季節を、柚子の援農、ブルーベリー狩り、山行、と体感できるようにもなりました。そこでの他の会員の方々との交流も又、私の生活の中で大きな部分を占めつつあります。
八ヶ岳ふるさと倶楽部交換日記
横山倫子(よこやま みちこ)
神奈川・川崎市⇔山梨・北杜市
1955年 北海道生まれ。
夫よりも2年早く退職し、染料となる植物に囲まれた環境の中、嬉々としながら趣味の染織にいそしむ毎日。