3月を迎えました。冬の底といえる寒い日々が過ぎ、日に日に気温が上昇していることが体でも感じられる、そんな季節となりました。
三寒四温という言葉とおり、日によって気温が大きく上下するのもこの時期の特徴でしょうか。
気を緩ませるにはまだ早く、寒さへの緊張を解いてはいけないのですが、春へと近づいているという確信が、気持ちにもゆとりを生ませるような気がします。
春が近づくにつれて、まず気づくのは体が緩むという感覚、続いて色彩に飢えていたという気づきでしょうか。
自分が緊張をしているというのは、実は緊張がとけてからでないと判らないもの。色彩の飢えも同様のもののようです。
足元の緑が芽吹くのが3月頃から。冬の間は、茶色い台地だったものに、色が点々と増えていく。気が付けば新しい絨毯のように広がり、世界の色を変えていく。その時に初めて冬の間、自分は色に飢えていたのだと実感をする。
毎年繰り返される事なのに、それを忘れ、巡りあった時に、また感動をする。物忘れということも悪いことばかりではないと思う瞬間です。
(八ヶ岳事務所 大久保武文)