▲タンポポの黄色い花は気づくと綿毛に。
6月と聞くと、「今年もう半分まで来てしまった!折り返し地点まであと少し・・・」と焦る気持ちになりそうですが、八ヶ岳の自然の移り変わりを見ながら生活をしていると、どうも違います。
1年のスタートが1月では無く、春からに感じてしまうのです。
冬の間は、自然はただただ静かにそこにあります。そしてその静の状態が動に代わるのが春。
八ヶ岳の春はゆっくりと訪れる為、4月以降も寒さで震える日が度々あります。
暖かい日が続くようになり、活動的になろうと思えるのがGWの後くらいからでしょうか。何というか自然の変化に意識が向いていると、6月になっても、まだ今年は始まったばかりという気がするから不思議なものです。
北杜市でカッコウの声を聞こえ始めるのも5月下旬から6月初旬のこの頃です。
聞こえる場所は、標高が上がった、高原のエリアになるでしょうか。私の家からも声が聞こえ、季節の訪れを感じさせてくれる鳥となっています。
ただ、声はよく聞くものの、実際に鳴くところを見たことはありません。そして改めて考えると、カッコウの姿を知らない自分に気が付きました。
実は姿を見たことはあるけど、鳴いてないからそれがカッコウと思っていないだけだろうか?頭に浮かんだのはブッポウソウという鳥の話です。
森の中で夜間「ブッ・ポウ・ソウ」と聞こえ、漢字に直すと「仏・法・僧」と鳴く鳥と長らく信じられてきたのですが、実際に鳴いていたのは別の鳥だったというものです。
案外、鳥の外見と声は一致しないものという話。ということで、実はカッコウを見たことのあるのでは?と姿を調べてみました。
▲カッコウの写真。提供元:写真AC
写真を見てみると残念ながらと言うべきか、初めて見る鳥でした。
声のきれいさから、鮮やかな目立つ鳥かと思っていたのですが、かなり地味な外見に感じます。
全長は35cm、ハトより少し大きいくらいで、野鳥しては大きい方でしょうか。腹のしま模様が特徴とのこと。正直、見たことあっても印象に残らなそうです。
ただ、実際に鳴いている姿を見ると、印象がガラッと変わりそうな予感も。いつかは実際に鳴く姿をこの目で見たいと思うこの頃です。
こちらに来てから初めて聞いた話だったのですが、昔からカッコウの鳴き声は、「種まき時期」を知らせると言われているそうです。
実際に、北杜市では5月中旬から6月初旬に田植えの最盛期を迎えます。
植えたばかりの苗は、水を張った田んぼの中では、まだまだ小さな存在ですが、僅か4か月後には稲穂が垂れ収穫の時期を迎えると考えると、なんだか不思議な気持ちになります。
同じ道を歩いていても、日々、どんどんと景色が変わっていく。植物の確かな成長を身近に感じられるのも田舎の良さでしょうか。
▲北杜市は田植えの時期を迎えました。(北杜市高根町)
(八ヶ岳事務所 大久保武文)